2028年の大阪。大阪環状線内で起きた犯罪を見つけるため、O(オー)システムと呼ばれる巨大スキャンシステムが稼働していた。大阪府警察O課で働く警察官・森かなたは、かつて妹・しおりが電車内の謎の事故で失踪した過去を持ち、電車内で起きる凶悪事件の検挙を目指していた。
しかしある日、O(オー)システムが映し出したのは犯罪者ではなく、人ならぬ“なにか”で…!?
人類が地球に住めなくなった未来。
宇宙に浮かぶ都市文明「コクーン」で暮らすアラタ、ターラ、シーザー、ルイの幼なじみ四人組は、宇宙時代に適応した新人類“ネオテニイ”のこどもたちだった。恋や家族、生命の価値がコクーン社会によって厳しく定められた世界で、彼らが紡ぎ出す「きみ」を死なせないための物語(ストーリア)。
「このマンガがすごい!2018」(宝島社)オンナ編第7位ランクイン作。
砂がすべてを覆い尽くす世界。
砂の海に浮かぶ巨大な漂泊船“泥クジラ”で暮らす人々の多くは、感情を発動源とする超能力“サイミア”を操る短命の種族だった。泥クジラで暮らす記録係の少年・チャクロは、ある日漂着した廃墟船の中で一人の少女と出会う…。
「このマンガがすごい!2015」(宝島社)オンナ編第10位ランクイン作。
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舞台は2028年。近未来の大阪。大阪環状線では「O(オー)システム」と呼ばれる、特殊なカメラと3Dスキャンで、車両内で起きたこと全てを記録するシステムが確立していた。Oシステムを利用して捜査を行う大阪府警察O課の森かなたは、車内で逮捕した痴漢の証拠を押さえるためにシステムを利用するも、原因不明のエラーに遭遇。荻野圭太巡査と調査を進めている中、偶然壊れたはずのファイルを開いてしまうと、3D映像の中から異形のバケモノが現れ、萩野巡査の体を貫く……
という怒濤の展開の第一話。
まず、舞台設定がとても面白いです。大阪環状線の車両内を全部スキャンして、3D映像を保管しておく「Oシステム」というのが、現在のテクノロジーの延長線上で、そのうち実現されるのではないかというリアリティがあるところ。
プライバシーの問題はありますが、なんだかんだで現在でも犯罪防止のために監視カメラなどがあることを許容しているので、限られた空間である電車内ならいいかと受け入れられていくのでは、と思わされる説得力があります。それよりも、車内で発生する痴漢などの犯罪や、冤罪の防止につながるならいい、というわけですね。
そして、その魅力的な装置を使っているときに登場したバケモノ。森と萩野を救った黒眼鏡の男・幸島が「視るな! 視ると現れる」と言ったこのバケモノは、一体何なのか。物語はその謎を中心に展開していきます。その謎を追っていく森は、その名称が「みぎわもん」だということを知り、その昔に行方不明になった妹も実はこの「みぎわもん」が関わっているということを知っていくのです。
物語は「視る」ということはどういうことかをテーマにしています。視えなければ、被害者が騒がなければ明らかにならなかった車内での犯罪。それを「視える」ようにしたOシステム。そして、Oシステムなどで「視る」と現れるというみぎわもん。
少しずつ謎が解き明かされていく「みぎわもん」の正体。そしてタイトルの「大阪環状結界都市」という名前の意味。みぎわもんとの戦いなどのアクションシーンも満載で、要素がかなりてんこ盛りとも言えるのですが、ごちゃごちゃにならないようバランス良くまとまっているため、ひとつひとつの情報がスッと入ってきます。
読めば読むほど続きが気になる、この物語。森の調査を一緒に「視る」ことで追体験していきましょう。
醤油と日本酒と料理漫画とその他諸々をこよなく愛するライター。
近著に原作を担当した漫画『白熱日本酒教室』(星海社)ほか。
もしあなたがSFが苦手だとしても、いや苦手な人にこそ読んでほしい物語です。
本作では、宇宙に浮かぶ都市コロニー“コクーン”で生きていくための、様々な社会的制度・差別・人と人の繋がりが描かれます。
契約を結ばないと話ができないパートナー契約制度や、常に社会的価値を査定され、あまりに価値が低いと判断されたら安楽死処分となってしまう査定(ジャッジメント)制度。現代の社会ではマイノリティと呼ばれてしまうことも多い、様々な立場を持った登場人物たち。
現代の徳島を舞台にした著者の前作「アンの世界地図〜It’s a small world〜」から何も変わらず、登場人物たちはその人物たちにとっての「今、ここ」を必死で生きて、恋に悩み、人間関係に悩み、笑い、泣き、怒ります。 遠い世界の物語であるはずの本作を読みながら、その切り取られた感情があまりに切実で、リアルであることに読者のあなたはきっと驚くはずです。
もう一度繰り返しますが、本作はSFが苦手な人にこそ読んでほしい物語です。
なぜなら、ここで描かれているのは「遠い世界の物語」ではなく、「今、ここ」を必死で生きる、あなたと同じ人々の物語だからです。
プリンセス/ボニータ編集部 編集部員
この作品の魅力としてお伝えしたいのは、ズバリ「世界そのもの」です。
巨大な船のような島“泥クジラ”が砂の海を航海していくビジュアルの鮮烈さ。
超能力“サイミア”を操る子どもたちの、命の儚さと美しさ。
平和な日常と壮絶な戦争のコントラスト。
次々と明かされていく砂の海に隠された哀しい秘密と、野望を抱えたたくさんのキャラクターたち。 数えきれない要素のすべてが結実して、そこにフシギな砂の海が「本当に在る」かのように思わされてしまいます。
SFを読むことの醍醐味にどっぷりと浸れる、「ここではないどこか」の物語。 アニメ化、舞台化と各方面で話題を集め、フランス・ドイツなど海外でも多くの読者を獲得している本作。迷っていたあなたは 今こそイッキ読みのチャンス!
プリンセス/ボニータ編集部 編集部員